つわりのひどい妊婦さんは歯科医院でメンテナンスを
つわりで歯がボロボロになることも
妊娠中の女性にとってつらい症状のつわりは、歯の健康を損なってしまうことがあります。
歯の表面にあるエナメル質は元来硬いものですが、酸などに長期間さらされると次第に溶けていってしまいます。
エナメル質を溶かす酸には炭酸飲料やお酢、レモンやオレンジなどの柑橘系がその代表です。
しかし最も強力に歯を溶かすのが胃酸で、胃酸は酸の中で最も強力なのが特徴です。
その証拠に胃酸は胃壁に穴をあけることもあるほどで、つわり中は常に口腔内に胃酸が滞ったままになってしまいます。
歯磨きしようとしても歯ブラシを入れることすら難しい妊婦さんの場合は、つわり中に一気に歯の健康を損なうことも多いのです。
こんな時は一度歯科医院を尋ねて、口腔内をチェックしてもらいましょう。
妊娠中はもちろんのこと、出産が終わってからも小さな赤ちゃんを預けて歯科医院に通院することができないことが考えられますので、早めの対策を取っておくことが肝心です。
歯科医院で汚れを落としてもらう
歯磨きができない上につわりで吐くことが多いと、歯の周りには多くの汚れがついたままになっています。
そのままにしておくと歯茎が腫れたり強い口臭が発生することもありますので、歯科医師や歯科衛生士に汚れを取ってもらいましょう。
妊娠中はホルモンのバランスが崩れやすいこともあって、歯茎が腫れたり出血しやすくなります。
また汚れが歯と歯茎の境目に残っていると歯茎の炎症につながりますので、まずは口腔内をきれいにするのが先決です。
歯磨きするとつわりが起きてしまうという人は、無理に歯磨きをすることはありません。
その代わり1週間に2.3度は歯科医院を訪れて、汚れを落としてもらうようにしてください。
つわりが収まったら歯の治療も
胃酸で溶けた歯は虫歯になっていることが多いため、つわりの症状が治まったら出産までの期間に歯の治療を行ってもらいましょう。
できてしまった虫歯は徐々に進行していきますので、歯髄にまで達すると神経を取らなければいけなくなります。
出産時期に痛みが出てしまうと、二重の痛みに耐えなければなりません。
赤ちゃんを産むときには歯を食いしばり、力を入れる必要がありますが、歯が痛くて噛めないとなったらそれも思うようにできませんので、ぜひ早めに治療することをおすすめします。
その時歯科医師が出産予定日を聞くことがありますが、これは処置する内容によって出産時に痛みや不具合が出ないかを考慮するためですので、きちんと伝えておきましょう。
